派遣事業におけるキャリア形成支援制度とは?教育訓練・キャリアコンサルティングを徹底解説

派遣許可取得はスタートライン。キャリア形成支援制度の整備が、適正な派遣事業運営の鍵となります。
教育訓練計画、キャリアコンサルティング、段階的なスキルアップ支援まで。派遣事業者に求められるキャリア形成支援制度について、派遣に強い社会保険労務士が分かりやすく解説します。
労働者派遣事業の新規許可申請を行う際、多くの企業が苦労するのが「キャリア形成支援制度」の整備です。
派遣許可取得のためには、
- 資産要件
- 事業所要件
- 派遣元責任者要件
だけでなく、派遣労働者のキャリア形成を支援する体制を整備しておくことが必要です。
これは単なる形式的な制度ではありません。派遣労働者が将来の職業能力を向上させ、安定した雇用や処遇改善につなげられるよう支援することが、派遣元事業主に求められているためです。
本記事では、派遣許可申請におけるキャリア形成支援制度について解説します。
キャリア形成支援制度とは
キャリア形成支援制度とは、派遣労働者の職業能力向上やキャリアアップを支援するための仕組みです。
派遣元事業主には、
- 教育訓練の実施
- キャリアコンサルティング窓口の設置
- キャリア形成支援制度の運用
が求められます。
許可申請時には、「キャリア形成支援制度に関する計画書」を提出することになります。
教育訓練計画が必要
派遣会社は派遣労働者に対して計画的な教育訓練を実施しなければなりません。
特に許可申請時には、
- 教育訓練内容
- 実施時期
- 対象者
- 訓練時間
などを明確にした教育訓練計画を作成します。
教育訓練でよくある内容
例えばIT系派遣会社であれば、
- 情報セキュリティ
- 個人情報保護
- ビジネスマナー
- コミュニケーション
- プログラミング基礎
- ネットワーク基礎
などがあります。
事務系派遣であれば、
- 電話応対
- ビジネスマナー
- Excel研修
- Word研修
- コンプライアンス研修
などが一般的です。
教育訓練は有給・無償で実施する
非常に重要なポイントです。
教育訓練は、
- 労働時間として取り扱う
- 賃金を支払う
- 受講費用を徴収しない
ことが求められます。
つまり、「休日に自己負担で受講させる」という運用ではありません。派遣労働者が安心して能力開発できる体制を整備する必要があります。
キャリアコンサルティング窓口の設置
派遣会社は、キャリアコンサルティングを受けられる体制を整備しなければなりません。
キャリアコンサルティングとは、
- 今後のキャリア形成
- スキルアップ
- 資格取得
- キャリアチェンジ
などについて相談できる仕組みです。
キャリアコンサルタントでなければならないのか
よく受ける質問です。
許可申請時に国家資格キャリアコンサルタントの配置が必須というわけではありません。
しかし、派遣労働者が希望した際に相談できる体制を整備し、その内容をキャリア形成支援制度に反映させることが重要です。
キャリア形成支援制度は許可取得後が重要
キャリア形成支援制度は、許可取得時の提出書類の一つと思われがちです。しかし本来は、派遣労働者の職業能力向上を継続的に支援するための制度です。
近年は、
- 教育訓練実施状況
- 相談体制
- 記録管理
などの運用状況が重視される傾向があります。許可取得後も継続的に制度を運用しなければなりません。
まとめ
キャリア形成支援制度は、派遣許可取得のためだけの書類ではありません。派遣労働者の成長とキャリアアップを支援し、適正な派遣事業運営を実現するための重要な制度です。
特に確認すべきポイントは次のとおりです。
- 教育訓練計画を作成しているか
- 教育訓練を有給・無償で実施しているか
- キャリアコンサルティング体制を整備しているか
- 段階的な教育訓練になっているか
- 実施記録を適切に保存しているか
- 許可取得後も継続運用できる体制があるか
HRストーリーズ社会保険労務士法人では、派遣許可申請時のキャリア形成支援制度の構築支援から、教育訓練計画作成、キャリアコンサルティング体制整備、許可取得後の運用サポートまで対応しております。「教育訓練計画の作り方が分からない」「労働局対応に不安がある」という企業様は、お気軽にご相談ください。




