個人情報を適正に管理する能力

個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必な措置が講じられていること。

労働者派遣事業の許可要件の一つで、派遣事業の業務の過程で得た派遣労働者などの個人情報を管理する能力が問われるのです。

派遣法第7条(許可の基準等)第1項第3号の要件

具体的には、業務の過程で得た派遣労働者等の個人情報を管理する能力を要求することにより、派遣労働者等の個人情報を適正に管理し、秘密を守るため、次のような事項につき判断することとされています。

個人情報(個人に関する情報であつて、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。

派遣法第7条(許可の基準等)第1項第3号

ポイントになるのは、大きく2点となります。一つは、個人情報管理の事業運営体制が整備されていることと、もう一つは、個人情報管理を適正に管理するための手順がしっかりできていることです。

個人情報管理の事業運営に関する判断

  1. 派遣労働者となろうとする者及び派遣労働者の個人情報を適正に管理するための事業運営体制が整備されていること。
    以下の内容に該当して、これらを含む個人情報適正管理規程を定めていることが必要とされています。
    ⅰ 派遣労働者等の個人情報を取り扱う事業所内の職員の範囲が明確にされていること。
    ⅱ 業務上知り得た派遣労働者等に関する個人情報を業務以外の目的で使用したり、他に漏らしたりしないことについて、職員への教育が実施されていること。
    ⅲ 派遣労働者等から求められた場合の個人情報の開示又は訂正(削除を含む。以下同じ。)の取扱いに関する事項についての規程があり、かつ当該規程について派遣労働者等への周知がなされていること。なお、開示しないこととする個人情報としては、当該個人に対する評価に関する情報が考えられる。
    ⅳ 個人情報の取扱いに関する苦情の処理に関して、派遣元責任者等を苦情処理の担当者等取扱責任者を定める等、事業所内の体制が明確にし、苦情を迅速かつ適切に処理することとされていること。
  2. 派遣元事業主は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないものとする。
    ※「等」には本人が不特定多数に公表している情報から収集する場合が含まれる。
  3. 派遣元事業主は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校若しくは義務教育学校の新規卒業予定者である派遣労働者となろうとする者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類(全国高等学校統一応募用紙又は職業相談票(乙))により提出を求めるものとする。
    ※当該応募書類は、新規卒業予定者だけでなく、卒業後1年以内の者についてもこれを利用することが望ましいこととされています。
  4. 個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られる。なお、派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際には、労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、派遣法第35条第1項(派遣先への通知)の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られるものであるものとする。ただし、他の保管又は使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合は、この限りではない。
個人情報管理の措置に関する判断

個人情報管理の措置に関する判断

派遣労働者等の個人情報を適正に管理するための措置が講じられていることとされています。この要件をみたすためには次のいずれにも該当しなければなりません。

  1. 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置が講じられていること
  2. 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置が講じられていること。
  3. 派遣労働者等の個人情報を取り扱う事業所内の職員以外の者による派遣労働者等の個人情報へのアクセスを防止するための措置が講じられていること。
  4. 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置が講じられていること。なお、当該措置の対象としては、本人からの破棄や削除の要望があった場合も含むものである。

「適正管理」については以下の点に留意することとされています。

  1. 派遣元事業主は、その保管又は使用に係る個人情報に関し適切な措置(前のⅰからⅳまで)を講ずるとともに、派遣労働者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければならないものとする。
  2. 派遣元事業主等が、派遣労働者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないものとする。

関連記事

  1. 派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度

    「派遣労働者のキャリア形成を支援する制度」に、「雇用管理を適正に行うた…

  2. 職業紹介事業と派遣事業の兼業

    職業紹介事業と派遣事業を兼業する場合の許可要件

  3. 派遣元責任者の選任

    派遣元責任者の選任義務(許可要件)

  4. 派遣許可資産要件

    派遣許可申請に必要な資産要件(まとめ)

  5. 許可の欠格事由

    許可が受けることができない欠格事由とは?

  6. 小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置(許可更新時の緩和された資産要件)

    小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置(許可更新時の緩和された資産要件…

  7. 専ら派遣の禁止

    専ら派遣が目的の労働者派遣は許可されません。

  8. キャリアコンサルティングの相談窓口

    キャリアコンサルティングの相談窓口の設置