「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的とする」の判断基準等

「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的とする」の判断基準等

今回は、前回の続き、労働者派遣事業の許可要件の一つ目、専ら派遣の判断基準等について確認してみましょう。

「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的とする」の判断基準は、定款等に記載され具体的に明らかにされている事業目的だけではなく、事業運営の実態にも照らし、客観的に特定の者への労働者派遣を目的としているか否かにより判断されます。

具体的には、次に掲げるいずれかに該当する場合は、労働者派遣事業が「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的とする」ものであると判断されます。

  1. 定款、寄附行為、登記事項証明書等にその事業目的がもっぱら労働者派遣事業の役務を特定の者に提供する旨の記載等がされている場合
  2. 派遣先の確保のための努力が客観的に認められない(派遣元事業主に複数事業所があり、本社等で一括して派遣事業に係る派遣先の開拓を行っている場合は除きます。)場合
    「派遣先の確保のための努力が客観的に認められない場合」とは、不特定の者を対象とした派遣先の確保のための宣伝、広告、営業活動等を正当な理由なく随時行っていない場合とされています。
    「正当な理由」とは、業務そのものが限定的に行われていることから他に派遣先を確保しようとしてもできない場合又は派遣労働者の人数が足りないことに起因して派遣先の確保ができない場合(派遣労働者の確保のための努力が客観的に認められる場合に限る。)とされています。
  3. 労働者派遣の役務の提供を受けようとする者からの労働者派遣の依頼に関し、特定の者以外からのものについては、正当な理由なくすべて拒否している場合
    「正当な理由」とは、派遣労働者の確保のための努力が客観的に認められるにもかかわらず、派遣労働者の人数が足りない場合等であるとされています。

「専ら派遣」とならないためには、不特定多数の派遣先の確保(営業、宣伝等)を行い、あわせて派遣労働者の確保(宣伝、広告等)をを行うことが許可の大前提になるのですね。

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