労働者派遣期間の制限の適切な運用

労働者派遣期間の制限の適切な運用

派遣元事業主は、派遣先の事業所等ごとの業務について、派遣可能期間を超えて継続して労働者派遣を行ってはならないこととされています。また、派遣先の事業所等における組織単位ごとの業務について、原則、3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣を行ってはなりません。

派遣労働を臨時的・一時的な働き方

派遣労働については、その雇用の安定やキャリア形成が図られにくい面があることから、派遣労働を臨時的・一時的な働き方として位置づけることを原則とするともに、派遣先の常用労働者(いわゆる「正社員」)との代替が生じないよう、派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則として、その旨は厚生労働大臣が行う運用上の配慮について規定した労働者派遣法第25条にも明記されています。

厚生労働大臣は、労働者派遣事業に係るこの法律の規定の運用に当たつては、労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行並びに派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とするとの考え方を考慮するとともに、労働者派遣事業による労働力の需給の調整が職業安定法に定める他の労働力の需給の調整に関する制度に基づくものとの調和の下に行われるように配慮しなければならない。

労働者派遣法第25条(運用上の配慮)

事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限

具体的には、常用代替防止の観点から派遣先の事業所等ごとの業務に係る派遣について原則3年までとする事業所単位の期間制限(以下「事業所単位の期間制限」という)が設けられ、また、派遣労働への固定化防止の観点からは、派遣先の事業所その他就業の場所における組織単位ごとの業務についての同一の派遣労働者の派遣を3年までとする個人単位の期間制限(以下「個人単位の期間制限」という)が設けられています。

なお、この常用代替防止は、派遣労働者が現に派遣先で就労している常用労働者を代替することを防止するだけでなく、派遣先の常用労働者の雇用の機会が不当に狭められることを防止することも含むことに留意しなければなりません。

派遣元事業主は、この趣旨を踏まえ、事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限が守られるようにする必要があります。

派遣期間の制限の適切な運用のための留意点

派遣先は、事業所等において、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできず、また、事業所等における組織単位ごとの業務について、3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならないため、派遣元事業主がこれらの期間制限に違反する労働者派遣を行うことを禁止されています。

なお、新たな労働者派遣を行うに際し、派遣先の事業所等においてすでに労働者派遣の役務の提供が行われていたか否かについて、派遣元事業主は把握することができませんので、事業所単位の派遣可能期間を超えて労働者派遣の提供を行ってしまうおそれがあります。したがって、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、労働者派遣契約の締結に当たり、あらかじめ、派遣元事業主に対し、労働者派遣の役務の提供が開始される日以後派遣先の事業所その他派遣就業の場所において期間制限に抵触することとなる最初の日を通知しなければならず、また、派遣元事業主は、通知がないときは、当該者との間で、労働者派遣契約を締結してはならないこととされています。

「継続して労働者派遣の役務の提供を行う」の「継続して」とは、労働者派遣の役務の提供を行っていない期間があったとしても、それが3箇月以内であれば継続しているとみなされるので注意しなければなりません。

なお、3箇月を超える空白期間を設定した後に再度同一の組織単位で就業させることは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくないものであるとされています。

派遣元事業主は、通知された派遣先の事業所単位の期間制限に抵触する日以降継続して労働者派遣を行ってはなりません。また、派遣先の事業所単位の派遣可能期間が延長された場合であっても、派遣労働者個人単位の期間制限を超えて同一の組織単位に同一の派遣労働者を派遣してはなりません。

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