育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止

育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止

派遣先にも、育児・介護休業法における「育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止」が適用され、自ら雇用する労働者と同様、派遣労働者に対しても事業主としての責任を負うことになっています。

育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止(育介法第10条他)

派遣先にも、派遣労働者への育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止が義務付けられています。

禁止される不利益取り扱いの具体的な内容については、指針において示されています。

不利益取扱い禁止の対象となる制度とは?
(育児介護休業法第10条、第16条、第16条の4、第16条の7、第16条の10、第18条の2、第20条の2、第23条の2)
  1. 育児休業(育児のために原則として子が1歳になるまで取得できる休業)
  2. 介護休業(介護のために対象家族1人につき最大で3回まで分割して通算93日間取得できる休業)
  3. 子の看護休暇(子の看護のために年間5日間(子が2人以上の場合10日間)取得できる休暇)
  4. 介護休暇(介護のために年間5日間(対象家族が2人以上の場合10日間)取得できる休暇)
  5. 所定外労働の制限(育児又は介護のための残業免除)
  6. 時間外労働の制限(育児又は介護のため時間外労働を制限(1か月24時間、1年150時間以内))
  7. 深夜業の制限(育児又は介護のため深夜業を制限)
  8. 育児のための所定労働時間の短縮措置
  9. 介護のための所定労働時間の短縮等の措置
    ※下線の措置については、事前に就業規則にて措置が講じられていることが必要です。
不利益な取扱いとは?
子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針(平成21年厚生労働省告示第509号)
  1. 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと
    (例えば)
    ・派遣労働者が派遣元に育児休業の取得を申し出た場合に、育児休業に入るまでは派遣契約に定められた役務の提供ができると認められるにもかかわらず、派遣中の派遣労働者が育児休業の取得を申し出たことを理由に、派遣先が派遣元に対し、派遣労働者の交替を求めること。
    ・労働者派遣契約に定められた役務の提供ができると認められるにもかかわらず、派遣中の派遣労働者が子の看護休暇を取得したことを理由に、派遣先が派遣元に対し、派遣労働者の交替を求めること。
  2. ‌就業環境を害すること
    (例えば)
    ・業務に従事させない、専ら雑務に従事させること など
  3. ‌解雇すること
  4. ‌期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと‌
  5. あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること
  6. ‌退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと‌
  7. 自宅待機を命ずること
  8. ‌労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮措置等を適用すること
  9. ‌降格させること
  10. ‌減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
  11. ‌昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
  12. ‌不利益な配置の変更を行うこと
育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの禁止

妊娠・出産・育児休業等の申出等を理由とする不利益取扱い

男女雇用機会均等法及び育児介護休業法の要件となっている「理由として」とは、妊娠・出産・育児休業等の事由と不利益取扱いとの間に「因果関係」があることを指します。

妊娠・出産・育児休業等の事由を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、原則として「理由として」いる(事由と不利益取扱いとの間に因果関係がある)と解され、法違反となります。

‌原則として、妊娠・出産・育児休業等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断します。ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても、実施時期が事前に決まっている、又は、ある程度定期的になされる措置(人事異動、人事考課、雇止めなど)については、事由の終了後の最初のタイミングまでの間に不利益取扱いがなされた場合は「契機
として」いると判断します。

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