今回は、労働者派遣事業の新規許可申請について、「いったいどんな書類を準備すればいいの?」というテーマでまとめてみました。実務経験と社労士としての視点を交えて、できるだけわかりやすくご紹介します。
許可申請で必ず提出する基本書類
まず欠かせないのが「労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)」です。加えて、「事業計画書(様式第3号)」やキャリア形成支援制度を記載した様式第3号-2なども必要になります。これらは、いわば申請の“顔”となる書類。労働局はこれをもとに、御社の体制や今後の運営計画を確認していきます。
労働者派遣事業・新規許可申請に必要な書類一覧(法人の場合)
申請書類(正本1通・写し2通提出)
- 労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)
- 労働者派遣事業計画書(様式第3号)
- 加えて:様式第3号‑2(キャリア形成支援制度)及びキャリアアップ教育訓練計画表など
- 自己チェックシート(様式第15号)、企業パンフレットやHP画面など事業実態が確認できる資料など
添付書類のボリュームに注意!
次に壁となるのが「添付書類」です。ここで求められるのはかなりの分量。たとえば、
- 定款や登記事項証明書(派遣事業が目的に含まれているか要確認!)
- 役員全員の住民票と履歴書
- 個人情報管理規程やキャリア支援制度のマニュアル
- 最新の財務諸表(直近年度の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書。設立間もなければ設立時BSなどで可)
- 法人税関連の資料(確定申告書別表1・別表4(税務署受理印または電子受付証明)、法人税納税証明書(その2所得金額用))
- 事務所の使用権を証明する契約書や図面(自社所有なら不動産登記事項証明書、賃貸なら賃貸借契約書および(転貸時)転貸借承諾書など。事務所図面・レイアウトと20㎡以上の確保も含む)
など、細かい確認書類が山ほどあります。特に財産要件や事務所要件で不備があると、申請がストップしてしまうので要注意です。
派遣元責任者に関する書類も必須
さらに、事業運営の要となる「派遣元責任者」に関する書類も求められます。住民票や履歴書に加え、派遣元責任者講習の修了証明書(3年以内)が必要です。「まだ受けていない!」という方は、早めの受講を強くおすすめします。
- 派遣元責任者(通常は代表者または管理者)の住民票(兼務役員の場合は不要)
- 同者の履歴書(署名押印・雇用管理経験記載)
- 派遣元責任者講習受講証明書の写し(申請日現在で過去3年以内に取得)
労働者を守る制度を整えているか
派遣労働者のキャリア支援や就業規則(又は労働契約書でも可)の中身も、審査でしっかり見られるポイントです。教育訓練は労働時間として扱うか、休業時にきちんと手当を支払う体制か、無期派遣労働者を一方的に解雇しないルールがあるか……など、法律に沿った制度設計ができているかどうかをチェックされます。ここをクリアできるかが「許可が下りるか否か」の分かれ道になります。
就業規則または労働契約書の該当箇所写しで以下を規定していること:
- 教育訓練を所定労働時間として扱い、賃金を支払うこと
- 無期雇用派遣労働者や、有期雇用で雇用契約が継続している者に対して、派遣契約終了のみを理由に解雇しないこと
- 使用者の責に帰す休業時に、平均賃金60%以上の手当を支払うこと
- 派遣労働者向けキャリア形成支援制度に関する事務手引やマニュアル、概要写し
手数料も忘れずに!
意外と見落としがちなのが費用関係です。
- 登録免許税:9万円
- 審査手数料:12万円(事業所追加ごとに+5.5万円)
これらは申請時に必要になりますので、事前に準備しておきましょう。
なぜこれだけ多くの書類が必要なのか?
派遣法では、派遣元事業主に対して「財務的安定」「適正な雇用管理」「情報保護」「労働者保護」「キャリア支援」の要件が定められており、それぞれを裏付ける書類の整備・提出が義務づけられています。このため、新規許可取得には詳細かつ多角的な確認が不可欠です。
また、申請後の審査では形式審査と実体審査があり、不備があると修正依頼が複数回入ることもあります。特に資産要件や講習証明、就業規則の内容などは、行政担当者が現場調査や書面照会により厳しく確認します。
書類が多すぎて大変!そんなときは…
ここまで読んでいただくと、「正直、自分で全部整えるのは難しいな…」と思われる方も多いはずです。実際、申請後に労働局から修正依頼が入ることも珍しくありません。特に初めてチャレンジする企業様は、不安を感じる部分も多いと思います。
そこで私たちHRストーリーズ社会保険労務士法人では、労働者派遣事業の新規許可申請代行サービスをご用意しています。
- 許可要件の事前チェック:財産要件、事業所面積、派遣元責任者資格など、行政側の視点で詳細に確認
- 書類作成支援:各様式(第1号、第3号ほか)および添付書類の整備をヒアリングに基づいて代行作成
- 規程・マニュアル整備:個人情報管理規程、就業規則改定案、キャリア形成制度マニュアルなどをオーダーメイドでご提案
- 講習証明・役員履歴書準備補助:派遣元責任者講習の受講証明収集、履歴書・住民票などの準備をサポート申請手続代行:都道府県労働局への提出、登録免許税・収入印紙額の計算・案内、提出後の修正指示対応
- 現地調査対応支援:行政による現地訪問調査時の立会いおよび迅速対応のお手伝い
当法人は、人材派遣実務出身の社労士として、実務目線✕法規制目線の両方から経営者目線での申請支援に強みがあります。許可の取得はもちろん、その後の安定運営を見据えたご提案を得意としております。
まとめ
労働者派遣事業の新規許可申請は、必要な書類の数も多く、要件も細かいため、経営者ご自身で対応するのは大きな負担となります。ですが、正しく準備を進めれば決して難しいものではありません。
もし「一から全部任せたい」「自分で準備しているけど不安がある」という方は、ぜひHRストーリーズ社会保険労務士法人へご相談ください。派遣業に強い社労士として、御社のスムーズな許可取得を全力でサポートいたします。
