許可申請
コーディネーター

労働者派遣事業の組織的な許可要件として、派遣元責任者と派遣元事業主(主に役員をいう。)に関する、いわゆる人の要件を確認致しましょう。派遣元責任者は、原則、3年以上の雇用管理経験を有する者で、派遣元責任者講習会を受講済みであること。そして、派遣元責任者の職務代行者が組織上必要となりますので、役員又は直接雇用の労働者の選任が必要となります。

派遣元事業主は、欠格要件に該当せず、特に外国人の役員については、在留資格の種類に注意しなければなりません。

    派遣元責任者に関する判断

    1. 派遣元責任者として雇用管理を適正に行い得る者が所定の要件及び手続に従って適切に選任、配置されていること。この要件を満たすためには、次のいずれにも該当することが必要です。
      1. 労働者派遣法第36条の規定により、未成年者でなく、労働者派遣法第6条第1号、第2号及び第4号から第9号までに掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと。
      2. 労働者派遣法施行規則第29条で定める要件、手続に従って派遣元責任者の選任がなされていること。
      3. 住所及び居所が一定しない等生活根拠が不安定な者でないこと。
      4. 適正な雇用管理を行う上で支障がない健康状態であること。
      5. 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。
      6. 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。
      7. 派遣元責任者となり得る者の名義を借用して、許可を得ようとするものでないこと。
      8. 次のいずれかに該当する者であること。
        • 成年に達した後、3年以上の雇用管理の経験を有する者
          この場合において、「雇用管理の経験」とは、人事又は労務の担当者(事業主(法人の場合はその役員)、支店長、工場長その他事業所の長等労働基準法第41条第2号の「監督若しくは管理の地位にある者」を含む。)であったと評価できること、又は労働者派遣事業における派遣労働者若しくは登録者等の労務の担当者であったことをいう。
        • 成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者
        • 成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者
        • 成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者
      9. 厚生労働省告示(平成27年厚生労働省告示第392号)に定められた講習機関が実施する則第29条の2第1号で規定する「派遣元責任者講習」を受講(許可の申請の受理の日前3年以内の受講に限る。)した者であること。
      10. 精神の機能の障害により派遣元責任者の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者でないこと。
      11. 外国人にあっては、原則として、入管法別表第一の一及び二の表並びに別表第二の表のいずれかの在留資格を有する者であること。
      12. 派遣元責任者が苦情処理等の場合に、日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること。
    2. 派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者があらかじめ選任されていること

    派遣元責任者が、他社での兼務役員等である場合は、派遣元責任者の要件が満たせない場合がございます。派遣許可申請前に、派遣元責任者及び職務代行者の最低限のユニットの選任の目途を立てておく必要がございます。

    派遣元事業主に関する判断

    派遣元事業主(法人の場合はその役員を含む。)が派遣労働者の福祉の増進を図ることが見込まれる等適正な雇用管理を期待し得るものであることとされています。この要件を満たすためには、次のいずれにも該当することが必要です。

    1. 労働保険、社会保険の適用基準を満たす派遣労働者の適正な加入を行うものであること。
    2. 住所及び居所が一定しない等生活根拠が不安定な者でないこと。
    3. 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。
    4. 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。
    5. 派遣元事業主となり得る者の名義を借用して許可を得るものではないこと。
    6. 外国人にあっては、原則として、入管法別表第一の二の表の「高度専門職第一号ハ」、高度専門職第二号」及び「経営・管理」若しくは別表第二の表のいずれかの在留資格を有する者、又は資格外活動の許可を受けて派遣元事業主としての活動を行う者であること。
      なお、海外に在留する派遣元事業主については、この限りではない。
    7. 派遣労働者に関する就業規則又は労働契約等の記載事項について
      • 無期雇用派遣労働者を労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと。また、有期雇用派遣労働者についても、労働者派遣契約終了時に労働契約が存続している派遣労働者については、労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと
      • 無期雇用派遣労働者又は有期雇用派遣労働者であるが労働契約期間内に労働者派遣契約が終了した派遣労働者について、次の派遣先を見つけられない等、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、労働基準法第26条に基づく手当を支払う旨の規定があること。
    8. 既に事業を行っている者であって、雇用安定措置の義務を免れることを目的とした行為を行っており、労働局から指導され、それを是正していない者ではないこと。

    派遣元事業主(役員)が外国人の場合の在留資格の種類が最も注意しなければならない点です。経営ビザや高度技術など、比較的取得難関な在留資格が求められます。このような在留資格を持たない役員が1名でもいる限り労働者派遣事業の許可取得はできません。

    派遣許可申請に関する無料相談

    特定社会保険労務士
    松山 剛

    HRストーリーズ社会保険労務士法人では、無料相談を通じて、許可要件の事前チェックの際に派遣元事業主や派遣元責任者に関する要件を確認させていただきます。問題がある場合は、許可を通すためのご提案を致します。許可要件に関する事前チェックなど無料にて個別のリモートにてご相談を承ります。お気軽にご活用下さい。

    派遣許可申請全体のご相談も
    派遣元責任者・派遣元事業主に関するご相談
    派遣許可申請全体のご相談も