労働者派遣事業を始めるためには、厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。
ところが、書類をどれだけ丁寧に整えても、一定の事由に該当すると、そもそも許可を受けられない場合があります。これが、いわゆる「欠格事由」です。

派遣事業の許可申請においては、資産要件や事務所要件と同じくらい、この欠格事由の該当有無の確認が重要です。知らずに該当していると、申請自体が無駄になってしまうこともあります。

本記事では、労働者派遣法に定められている欠格事由について、実務上特に注意すべきポイントを中心に解説します。

欠格事由の根拠条文

欠格事由は、労働者派遣法第6条に定められています。
ここでは、「派遣事業を適正に運営できないおそれがある者」を排除する目的で、申請できない者の範囲が明確に規定されています。

重要なのは、法人だけでなく、役員や実質的経営者個人にまでチェックが及ぶ点です。

主な欠格事由の内容

① 一定の法律違反がある場合

次のような法律違反を行い、刑罰を受けてから一定期間が経過していない場合は欠格事由に該当します。

  • 労働者派遣法
  • 職業安定法
  • 労働基準法
  • 出入国管理及び難民認定法 など

「罰金刑だから大丈夫」「かなり前だから問題ないだろう」と思われがちですが、執行後(または刑の終了後)から一定期間は申請不可となりますので注意が必要です。

② 過去に派遣事業の許可取消を受けている場合

以前に派遣事業を行っていて、許可取消処分や事業廃止命令を受けたことがある場合も、原則として一定期間は許可を受けられません。

ポイントは、

  • 申請法人そのもの
  • 役員・個人
    のいずれについても確認される点です。

形式的に別法人で申請しても、実質的に経営に関与している役員等が該当していれば不許可となります。

③ 暴力団関係者である場合

法人または役員、実質的経営者が、

  • 暴力団員
  • 暴力団との関係を有する者

に該当する場合は、当然ながら欠格事由となります。これは形式的条件というよりも、反社会的勢力排除の観点から厳格に審査される項目です。

④ 成年被後見人・被保佐人に該当する場合

個人事業主として派遣事業を行う場合や、法人の役員について、

  • 成年被後見人
  • 被保佐人

に該当していると、派遣事業の適正な運営が困難であるとして欠格事由になります。

⑤ 事業運営能力に重大な問題がある場合

条文上は抽象的ですが、

  • 著しく不適切な労務管理歴がある
  • 実態として事業運営能力がないと判断される

場合も、審査上マイナス評価となることがあります。とくに、過去に労働法令違反を繰り返しているケースは、欠格事由に準ずる形で慎重に見られます。

実務で特に多い見落としポイント

実際の申請支援を行っていると、次のようなケースで相談を受けることが少なくありません。

  • 過去に代表者が別法人で派遣事業に関与していた
  • 軽微と思っていた労基法違反の指摘歴があった
  • 名ばかり役員だと思っていた人物が「役員」として審査対象になった

欠格事由は自己申告が前提となる部分も多いため、「知らなかった」は通用しません。

まとめ:欠格事由の確認は申請準備の最優先事項

労働者派遣事業の許可申請において、欠格事由の確認は最初に行うべき重要チェック項目です。
資産要件や事務所要件を整える前に、まずは

  • 法人
  • 役員
  • 実質的経営者

それぞれについて、欠格事由に該当しないかを丁寧に確認することが、失敗しない許可申請への近道です。

派遣事業の許可申請は「事前確認」が成功のカギ

HRストーリーズ社会保険労務士法人では、
労働者派遣事業に特化した社労士として、

  • 欠格事由の事前チェック
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そのような場合は、ぜひお気軽にご相談ください。