有料職業紹介事業を始めるには、厚生労働大臣の許可が必要です。許可申請には、複数の厳しい要件がありますが、中でも事業の中核を担う「職業紹介責任者の要件」は、特に重要なポイントとなります。今回は、この職業紹介責任者について、その役割から要件、注意点まで、専門家である社会保険労務士が詳しく解説します。

職業紹介責任者とは?

職業紹介責任者とは、有料職業紹介事業を適切に運営するために、事業所ごとに必ず配置しなければならない責任者のことです。この責任者は、単なる管理職ではなく、求人・求職情報の管理、個人情報保護、事業運営のコンプライアンス遵守など、多岐にわたる重要な役割を担います。

厚生労働省は、事業の健全な運営と、求職者・求人者の双方を保護するため、職業紹介責任者に対して、以下の3つの厳しい要件を定めています。

  1. 年齢要件
  2. 経験要件
  3. 講習受講要件

職業紹介責任者の要件チェックポイント

1. 年齢要件

職業紹介責任者は、成年に達した後、3年以上の職業経験を有する者である必要があります。2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、職業安定法施行規則も改正されました。 したがって、18歳で成人となりますが、その後の3年以上の職業経験が必須となるため、実質的には21歳以上の方が要件を満たすことになります。

2. 経験要件

職業紹介責任者となるには、一定の業務経験が求められます。具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 職業安定法に規定される業務に3年以上の実務経験があること
    • 公共職業安定所や地方公共団体、学校等での職業相談業務
    • 民間職業紹介事業所での業務
  • 雇用管理経験が3年以上あること
    • 人事担当者として、採用、配置、異動などの業務経験
    • 労働組合の役員としての経験

これらの経験は、事業運営の基礎となる知識やスキルを身につける上で不可欠とされています。

3. 講習受講要件

職業紹介責任者は、厚生労働大臣が定める「職業紹介責任者講習」を修了していることが必須です。この講習は、職業紹介事業の法令、実務、個人情報保護など、事業運営に必要な知識を習得するためのものです。

  • 受講時期:許可申請日の前5年以内に受講した講習のみ有効です。
  • 受講対象者:原則として、職業紹介責任者として選任される予定の者が受講します。

この講習を修了していなければ、他の要件を満たしていても職業紹介責任者として認められません。

職業紹介責任者に関する注意点

職業紹介責任者は、事業の成功を左右する重要なポジションです。選任する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 事業所ごとの配置義務:有料職業紹介事業所は、事業所ごとに1名以上の職業紹介責任者を置かなければなりません。
  • 専任義務:職業紹介責任者は、原則としてその業務に専任する必要があります。他の事業所の責任者を兼任することはできません。
  • 欠格事由に該当しないこと:未成年、禁固以上の刑に処せられた者、暴力団員など、厚生労働省令で定める欠格事由に該当しないことが条件です。
  • 外部委託はできない:職業紹介責任者は、事業所の役員または従業員の中から選任しなければなりません。外部の第三者に業務を委託することはできません。

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職業紹介責任者の要件は、単に経歴や講習修了証を確認するだけでなく、その方が事業運営にふさわしい人物であるかを総合的に判断されます。要件を満たしていると思っていても、経歴証明の不備や、欠格事由への該当などで、許可が下りないケースも少なくありません。

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